2007年秋の近況 3
(つづき)
さらにまた、わたくしは立て続けに「老後」の本を読んでいた。そして、「老い」とか「老後」について感じ入るところがあった。これまでだって、老後に関する本なんざ、何十冊と読んできた。なぜなら、それは仕事だから。でも、今回はたまたま読んだら「老い」だったし、たまたま好きな作家を趣味で読みふけっていたもので、いつもと異なる心構えであったのかも。
自分の老いや老後の暮らしのこと。いま生きている親たち(これは友人たちの親や親戚)のことを強く頭に思い描き、そこに自分を重ねて想像した。手で触れ匂いを嗅ぎ頬ずりするくらいのリアルさで、老いが脳内を暴走した。
わたくしは、初めて老いを自分のこととして、生のいまのわたくし自身のこととして受け入れました。
老いについて書かれた本(というか詩)を読み、涙なんぞを流したりして。これは悲しみということだけではなく、むしろ心地よさと言いますか、長く生きてきた人の人生の生臭さと言いますか、決してカサカサしていない体温のある湿り気もベトベトさもある、そーゆーよーなことを感じてのことだ。
わたくしが老いをリアルに想像し受け入れていたころ、わたくしの同年代の友人から「身ごもったので、初めて子を産むのだ」と告げられた。嬉しかったし、大笑い。せっかく老い始めていたわたくしだけど、未来がパーッと拓けるような心持ちとなり、少々若返った。
ところで、話を戻すが貧血。
母が骨髄の病気になり恒常的に貧血で、なおかつ肺に水まで溜まって死にそうになっているときに、私は不安で怖くて仕方なくって、友人のYちゃん宅に行った。Yちゃんの夫のTさんが「人間、やっぱり血液と酸素だと思う」と言ったのだった。そんな言葉を聞き、「その血液と酸素がピンチの母なのだ!」と思ってショックだった。なんでこのタイミングでそんなコトを言うのかとビックリするくらいだった。わたしは「大丈夫だよ」とか何とか、そんな慰めの言葉が欲しかったのだろう。甘えていたのだろう。そして、「だったら、何とかして」とでも言いたい気持ちであった。何とかできる相手ではないことは承知で、そう言いたかった。
だけれども、貧血症状が進んでみますと、わたくしもやはり「人間、やっぱり血液と酸素だな」と実感するのであります。Tさんは、本当に正しかった。Tさんも貧血だったか?と思うほど、正しい。ちょっと駆け足をしようものなら、動悸と息切れがたちどころに起こる。そのうち、肩から頭にかけてズシーンと重たくなって疼痛と呼ぶには物足りない、とてもイヤ~な痛みが襲ってくる。でも、じっとしていると、すぐに回復する。回復するけれど、わたくしは持久力を失ったり、頭がいつもよりさらにバカになっているような気もする。かなりする。
まぁバカさがどのくらい進行しているのかは実感できないが、体が動きにくくなるのは実感する。これが貧血なのだな。酸素を体の隅々まで行き渡らせたい。そう願ってやまなくなる。これが貧血なのだ。
そういうわけで、血液と酸素がピンチを超えて母は死んだ。
私もヘモグロビンが少なくなったが、死ぬほどではない。当たり前だ。それどころか、まったく普通に生きている。暮らしている。別に駆け足なんてしなくても済む生活だ。目のクマを何とかしたいと思うくらいなもんです。
だが貧血症状があらわれて、思うように体が動かない状態というのは、老いと少し似ているのではないか、もしやこんな感じなのではないか、と感じないでもない。わたくし程度の貧血症状なら数十秒で回復するが、老いは回復しない。こわいわね、それって。
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Comments
今日も小学6年生、65人を相手に「もの作り教室」をやってきました。
相手は若いよ~(^_^)
まぁ高校生もやっている(明日は高校)だけど、自分のことを棚に上げて「うまくソフトランディングしてくれ」という感じね。
若いうちは誰しもが尖っているわけで、それだとハードランディングというか着陸したらひっくり返るということでしょう。
ソフトランディングするためには、あっちもこっちも見えるように感じられるように、そして仲間と手分けして、なんてことが必要なのだろうけれども、昨今はそういう訓練をする場がないわけですわ。
高校生とか小学生と付き合うのは結構楽しいですよ。
Posted by: 酔うぞ | October 09, 2007 at 05:08 PM