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嗅覚が回復

鎌倉小川軒レーズンウィッチ
 
 

1月にチラリとお伝えしたコロナ罹患による嗅覚障害。罹患後1カ月余で嗅覚がほぼ回復したように感じるに至りました。先日、職場の片隅で同僚と話をしていたところ正午を過ぎ、同じ職場の誰かがお弁当を食べ始め、その良い香りが漂ってきました。同僚と二人で、「いい匂い。お腹すいたね」と言い合っていた際に、「あッ! 私、匂いがわかった! 離れているところの匂いがわかった!! マスクしているのにわかった!!!」となりました。

コロナでの嗅覚障害、私のケースでは罹患直後に匂いを全く感じなくなりました。味は感じたのに。試しにミントでスースーしない、フルーツ系のガムを口に放り込んでみたら、ただ甘いだけのモゴモゴ食感の悪いものを噛んでいるだけ、という印象でものすごく不味く感じました。匂いがしないと、こんな風になってしまうのか!とびっくり。その時から私は何でも鼻を近づけクンクンと嗅ぐ犬のような者になってしまったのでした。

罹患から7日後くらいに、クンクンしていると、本当にかすかに、「何か匂いがしているに違いない」というわずかな何者かを感じるようになりました。まだ、どんな匂いなのかもわからないけれど、何か匂いらしきものの存在を感じるようになったかも……、という期待。翌日になると、匂いの一部を感じられるようになり、やはり回復し始めたような気がしてワクワクしました。かすかだけれど、香水から「爽やかな酸味」っぽさを掴むことができたのです。せっけんからは酸っぱい匂いを感じました。香水の爽やかさとは少し異なる酸味っぽさでした。本当にわずかな感度ながら、明らかに別の種類の酸味っぽい匂いでした。

その後も日に日に回復が進み、酸味っぽい匂い以外の香りも感じられるようになりました。例えば酸っぱい匂いだけしていたせっけんは、草のような匂いも感じられるようになり、酸っぱさと青臭さがブレンドした匂いでちょっと臭い、嫌なニオイに感じられ閉口してしまった。そのころは、コーヒー豆をクンクンすると「ただただ焦げ臭い」と感じ、カレー粉は「うっすらカレーのようにも感じるけれど、ぼんやり香木みたいな気もする」と感じていました。中途半端に香りの一部だけ感じ取ることができても、全体として把握できないとあまり良い匂いとは受け取れなかったです。

嗅覚が回復する途中経過というのは、香りの全体像を感知できない状態の中、香りの種類の一部をちょっとずつ掴み取り、取り戻して匂いを感じていくような、そんなことを繰り返すような毎日でした。日に日に感じられる香りの種類が増えていき、私の中で匂いがどんどんふくらんでいくような、立体的になっていくようなイメージです。香りの種類が積み重なって、全体が形成され、やっと良い匂いとして感じられるのだと知ることができ、実感もできました。これは、本当に興味深かった! とても貴重な体験でした。

ところで私の場合は、酸っぱい系の香りを真っ先に感じ始め、一番遅れて戻ってきたのが甘くて優しい香りでした。これも興味深い!

香りの種類を嗅ぎ分けられるよう回復することに気持ちが行ってしまいがちでしたが、嗅覚の感度は弱く鼻を近づけないと気がつかない時間も長かったので、冒頭の通り遠くからの匂いがわかった時は嬉しかったです。今はまだ完全に元通りにまで回復したと断言できるほとの自信はありませんが、ほぼ戻ってきたとは言えるのでははいかしらん。そして完全に元通りでなくても、現状のままで十分満足な気持ちでもあります。ありがたいです。

 

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