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頑張って、今日も漆器を普段使いする

マグロのすき身1
 
 

無地は無難で使いやすいけれど、柄物やカラー物は選択を迫られがち。難しいからこそうまく使えると、「さすが腕の見せどころ! 」などと褒め称えられ、ファッションセンスの素晴らしさに一目置かれたりする。それは食器も同じこと。お料理をどんな器に盛り付けるか、そこが肝心なのではないでしょうか。北大路魯山人さんも、そんなことをおっしゃっておいででした。

さて、写真はマグロのすき身。スーパーで500円くらいでした。盛り付けたお皿は、頑張って普段も使って行こう!スローガンの漆器です。フォルムはなます皿で、ふちの立った直径15cmくらいのもの。冒頭の写真では分かりにくいですが、黒地の漆に蒔絵で柄が描かれた器で、盛り付ける料理を割と選びがちのように感じる物です。それゆえ、あまり出番がありませんでした。そして、それには別の理由もございます。

ところで、いつものようにこの器にもあだ名がついています。それは、「高級発泡トレイ」。スーパーで、ちょっとお値段のいいお魚やお肉は、黒と金のトレイに乗せられているでしょう? それです。
少々カメラを引いてみましょう。下の写真をご覧ください。器の柄がわかるかと思います。
この器で食事をすると、ほんのり「スーパーのパックのまま食卓に並べている」感がしてしまうのです。いやいや、いやいや、逆だから。蒔絵を真似しているのはスーパーのパックの方だから!と強く思っても、スーパーのパック感がなかなか消えません。

 

 

マグロのすき身2
 
 

さらに俯瞰の写真も加えると、より分かりやすいかと思われます。スーパーのパック感がハンパない。スーパーのパックを即座に思い浮かべてしまう私の庶民度の高さがいけないのだと思いますけれど、こういうものは一生涯変わらないように思っちゃいます。でも、どう見てもスーパーのパックでしょう?

そういうワケで、いろいろと絶望などが混じり、この器から遠のいておりましたが、今後は普段使いを頑張りたいです。逆にスーパーのパック感を活かしたフライドポテトなどのジャンク系料理を盛り付け、買って来たものをそのまま食べる感を演出してもいいかも。いいのか? いいわけないよね? 嬉しくないよね、それ。絶望が加算。

 

マグロのすき身3
 
 
でも、そんなことを申しながらも嫌いになれず、ずっと一緒にいたなぁと思える器。今後も大事にしてゆきます。そして、魯山人のことなどに触れておきながら、こんな話かよ!ってな内容で、毎度失礼いたします。
 
 
 

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お椀でサラダ

お椀でサラダ 

 

以前、米国在住の友人ポピーが一時帰国の際に購入したという漆のお椀写真を見せてもらったら、とてもステキであった。また後日、別のずっと使い続けているという羽反りの可愛いお椀の写真も送ってくれ、「これで普段、ヨーグルトなども食べている。何にでも使う。ご飯もよそう」とのコメントも。なんと素晴らしくて、羨ましい。そんな話をしたのが1年半くらい前で、私も自宅に仕舞い込まれた漆器を出来るだけ使おうと注力し始めた。

それが、なかなか難しいのですよ。昨年暮れには、カフェ・オ・レがお味噌汁っぽくなっちゃうやら、そもそも持っている漆器のフォルムがダサいやらで、かっこよくならない。「お椀はお椀だよね」と、涙目になりながら箱から出したり仕舞ったり。それでも今回がんばってお椀にサラダを盛り付けてみた。

どうなんだろう。普段、お味噌汁用に使っているお椀ではなく、仕舞い込まれていたものだからそれほど違和感なくサラダに使えたかも知れない。でも、お椀だよね、とは思う。どうなんだろう。次回も小鉢風な使い方をしてみても大丈夫なのでは?とは思えた。あぁ、でも、どうなんだろう。自信はない。手持ちの漆器は、お椀や銘々皿(平皿)が多いので、難易度が高く感じる。がんばらねば。

そんなことより、お椀サラダに気を取られて忘れていたけれど、下に敷いている木製ランチョンマットは私が普段使いしているものであった。ボケてて目立たないが傷だらけ。ハゲて木の色があらわになった部分を、サクラ「マイネーム」という油性マジックで塗って誤魔化し使い続けているような、そんな板だ。
なんか、ホント、すみません。

 

 

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